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不況といわれる今の時代、人手不足に悩んでいる企業もあります。社長自ら最前線で活躍する元気な会社です。
“誰かいい人いないですかね。
とくに秀でている必要はないんですよ。
普通の人でいいんです”。
好調な企業ですからスペシャリストの確保はできている。仕事もどうにか回っている。でも今後の拡大を考えると将来的に即戦力になってくれる人材が欲しいというわけです。企業主は“普通の人”という言葉をよく使います。
“仕事は実践で覚えますからね。
資格なんてどうにでもなるでしょう。
資格ばっかり持っていて実務はダメっている人が多い。
とにかく普通のことが普通にできればいいんですよ”。
専門知識があってやる気満々。人柄も性格も最高。こういう人はいつまでも人に雇われているはずがありません。いつかは職場を巣立ち独立します。だから“普通の人”は金の卵なのです。でも、そういうごく“普通の人”がなかなら見つからない。これが企業主共通の悩みなのです。
普通のことが普通にできる人。こういう人は既に優秀な人だと私は思います。普通のことができない人、常識に欠けているような人。こういう人でも少しばかりのヤル気さえあれば先々大きく化ける可能性もあります。企業主にはその芽を見抜く力が必要です。
“そんなことしてたら面接だけで1日が終わっちゃうよ”。
こうボヤいてはいけません。9時から5時までは社員のフォローをする。夕刻から朝方までの時間に自分の仕事をする。24時間フルに働く。こういう覚悟ができている社長の元に、ある日突然、“金の卵”がやって来るのです。
麻布の路地に車を停めたとき、子どもを抱えた男性の姿が私の視界に入りました。正面から顔を見たわけでありません。でも私はその人にオーラのようなものを感じました。初老の紳士です。ふと見ると男性は俳優の岡田真澄さん(故人)でした。
“僕もああいう風に歳を取りたいなあ”。
“だって俳優さんでしょう。ハーフだし”。
“そうだけどさあ。すごくカッコよかったんだよ”。
“こうちゃんは元気で若いから大丈夫だよ”。
こういう励ましの言葉には正直ホッとします。僕はいつも元気ですし実年齢よりも少しは若く見られます。でもこれだけでは満足できないのです。綺麗なジェントルマンになりたいからです。
髪や体型はもちろん、いちばん気になるのが皮膚の老化です。皮膚のことを気にし始めたのはここ数年のことです。額のシワも気になります。
“男はそんなことを気にする必要はない。
中身で勝負すればいいのだ”。
こんな声がアチラ此方から聞こえてきます。でも僕は中身でも“外身”でも勝負する、そんなジェントルマンになりたいのです。
ピークを過ぎた女優さんがヘアーヌード写真集を出版する。こういうノリには少々抵抗を感じます。無理に若くみせようとする必要はない、年齢相応でいい。ただしカッコいいジェントルマンであること、これが僕の理想です。
丑年、B型、おひつじ座。もうすぐ僕の誕生日です。 食べたいものは甘納豆のお赤飯。太るからダメ?
“ゆっくり話す”。このことを力説する指導者が多いのはどうしてでしょうか。聞き手をハラハラ・ドキドキさせ最後の最後まで飽きさせない。グッと惹きつける。これが上手なスピーチです。であれば“ゆっくり話すこと”は実は天敵のはず。
早口を否定する人の言い分はこうです。
“早口だと分かりにくい”。
なるほど。でも競馬の実況中継はどうでしょうか。早口なのに実に分かりやすいですね。黒柳徹子さんのトークはどうでしょう。早口だからこそ魅力的なのです。私も実はかなりの早口です。
早口がダメなのではありません。分かりにくい、聞き取りにくいことがダメなのです。聞き手を飽きさせないという観点からいえばむしろテンポよくリズミカルに話すほうがよいのです。
早口を最大限に引き出してくれる技、それが間(ま)です。
“落語家の、ネタは真似せず、間を真似よ”。(ダルマンマの法則31番)
ココゾという場面で思いっきり間を置く。一流の落語家はこの頃合いが実に巧みです。笑いを引き出すツボも間の置き方次第です。文と文のあいだはもちろん文節と文節のあいだいや単語と単語のあいだにも意味のある間を置くこと。それだけでスピーチが生きるのです。
“早口で分かりやすい”。これが目指すべき理想形です。
男とは支配したがる生き物です。この法則に例外はありません。男としてこの世に生を受けた瞬間に支配をしたという欲求に芽生えるのです。
矛先は女性にも向けられます。 “アノ女を自分のモノにしたい”。これが男の本能です。こういう生き物に対して、
“私はアナタの所有物じゃない。
私をモノ扱いしないで”。
こういう言葉を吐いてはいけません。禁句です。男の性が萎えてしまう言葉だからです。もちろん、女性であるアナタは男の所有物ではありません。でもその気持ちをグッと堪えるのです。これができるか否かでアナタの価値は決まります。雄の妄想を刺激してはいけません。それを認めてあげる、認めるフリをしてあげるのです。これだけで男はアナタの強い味方になってくれるはずです。
男は支配するプロセスに快感を覚える生き物です。すぐに体を許してはいけないというのは本当です。仮に許したとしても、
“支配しきってしまったとは絶対に思わせない”。
これが鉄則です。そうすれば男の支配欲は継続します。玉手箱の箱を開けるのはご褒美のときだけ。箱の中にはさらに小さな箱を忍ばせておく。開けても、開けてもさらに小さな箱が出てくる。期待感と挫折感の絶妙なバランスが男の触覚を鈍らせ、狂わせるのです。
クレオパトラの言葉、それは、
“支配されても支配されても、支配しきれない女になる”。
これぞ世の男を釘付にする名言です。
25年前にスピーチコミュニケーションに出会って以来、私はその日本語訳について考えてきました。弁力という言葉を思いつくまでには20年の月日を要したのです。
“先生、弁力は先生のオリジナルですよね”。
“そうだよ”。
“商標登録をしましょう”。
弁塾以外の学校が弁力という言葉を使う場合、弁塾の許可が必要になる。あるいは一定の使用料を支払う。これが商標登録です。弁力という言葉が法的に守られるわけです。
演説と訳したのは福澤諭吉です。でもこの言葉は重く響きます。明治時代のアジテーションの香りがするからです。話し方では軽い。軽率な感じがします。私の心の中でしっくりいった言葉、それが弁力だったのです。 私の使命は弁力を独り占めすることではなく広めること。だから弁力を商標登録するつもりはありません。
“ナニを話すかよりもダレが話すかがコミュニケーションの根本なのだ”。
これが弁力の本質です。同じ言葉でも人が変われば印象は大きく変わる。ホストのような“薄っぺら”な話し方ではなく、五臓六腑にズッシリと響く話し方。これが人を動かす原動力になるのです。言葉を学ぶことも大切。話し方も大切です。もっと大切なこと、それは人間を磨くことです。
さて、大隈重信の名前を商標登録しようとする会社が現れました。知名度を利用して酒類の販売促進を計画しているようです。
“弁力ブランドのお酒でも販売しましょうか”。
“その心は?”
“酔いがまわって舌が滑らかになる?”
“ジャン・ジャン”。
給料前に財布に残ったお金をパーッと使ってしまう。こんなことができるのも25日には確実にお金が振り込まれてくるから。
“会社は潰れないよな”。
こういう安心感がある。だからお金を使えるのです。給与が振り込まれるかどうかが定かでなければ財布の紐はガッチリ閉まります。 将来への不安感、不確実感、不信感。これが不況を後押しする元凶です。それを打破するのが政治家の仕事のはず。でもその政治家が本来の力を発揮できないでいる。不況の宣伝マンに落ちてしまったメディアにも責任はあります。
“政治なんかどうでもいい。
飯が食えて酒が飲めればそれでいい”。
べたことがありました。自民党と民主党のどちらを支持するか? こんなことはその際どうでもいい。知人の発言はあながち間違ってはいなかった。
日本には150兆円にものぼる“タンス貯金”があります。この“巨大がま口”をどうやって開けさせるのか。景気が上向くかどうかはこの1点に尽きるのです。
アメリカ人の多くは貯蓄をしません。だからアメリカの不況 (recession) は深刻です。この点、日本の不況は質が違います。
“福澤さんは気楽でいいですよね。
私たちがどれだけ大変か、わかっていないでしょう。
選挙に負けたらただの人ですよ、ただの人”。
こういう政治家には早くただの人になっていただきたい。日本をこよなく愛しているのはただの人たちなのですから。