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日本から新聞を添付で送信してもらいます。何の新聞っ?競馬新聞です! 今日は年に一度の競馬の祭典、日本ダービーが開催されるって、今時子どもでも知ってますかね。
私が愛読するのは“勝馬”。これを見ないと、どうも予想する気にはなれないのです。画面に写し出される“勝馬”を凝視しながら福澤先生の予想タイムが始まり始まり~。海もプールもパス、ひたすらテータとの格闘なのです。
タービーって意外にシンプルなんですよ。ほんとうに! 前哨戦のきさらぎ賞、京都競馬場で行われるレール、これがポイントなんですよ。去年はこのレースで優勝したアサクサキングスがダービーで2着、その後、この馬は菊花賞も勝ちました。ダービーで穴馬を探すなら答はきさらぎ賞にアリ。これが法則です。
さて・さて、今年のきさらぎ賞の勝馬は⑩番レインボーペガサス。2着馬は⑦番スマイルジャック。どちらかが絡む、その確率は超高いはず。コレが傾向ってものですよ。いいですか皆さん。⑩と⑦。
どちらを軸にするか迷いますね~。南の島に似合うのはヤッパリ、レインボーでしょう。パッパと決めて日本に電話します。
“あのね、⑩から3連単だよ。お願いね。⑩か⑦のどちらかは必ず来るよ。お金? 建て替えてね。増えるから心配しないで。”
今から思えばなんという自己矛盾。何で⑦も買わないかって? これがギャンブルですね。終わってみれば⑦番のスマイルジャックが2着に来て馬券は大荒れ。アレアレ。レインボー君は? 5着ですか。ああ、残念!
常夏の環境にいると食事の量が増えてしまう。これまでの私はそうでした。でも今回は違います。プールでのウォーキングは1時間、ジムで汗を流し、夕食は1日おきにカット。朝と昼は食べます。今回はこれを実行しました。
”夕食を食べないとお腹が空くでしょう?“と、よく聞かれます。もちろんお腹は空きますよ。でもそれを我慢するとか辛抱するとか考えると悲しくなりますよね。そうではなくって、もう目の前に食料はないと考えるのです。
“人里離れた山奥にいる。食べるものはない。明日の朝には麓から食べ物が届けられる。”こうやって暗示をかけるとお腹は空いても大丈夫なのです。
弁塾のHPの写真よりも10キロ以上、減量しました。面接でお会いする生徒さんが一様にビックリされます。
運動だけで痩せるのは不可能に近いと思います。食べる量と時間を工夫する。運動もする。これがベストだと思います。
今の私にとってダイエットは楽しい趣味のようなものです。学生時代のベスト体重は87キロ。先ずは90キロを切ることが目標です。食べることが大好きな私ですから、どうしても食べたいときは徹底的に食べます。この考えが僕にはいいようです。
ダイエットを指導してくださる先生に褒められること。これがいちばんの励みかな。
冷房、テレビは点けっぱなし、オフィス照明もPCもガンガン使う。移動はもっぱら車で東京と箱根の間をガンガン飛ばす。入浴は大好きで朝シャンは欠かさない。重たいボストンバッグを持って度々の渡航。これが私の生活習慣です。温暖化の片棒を担いでいるひとりとして猛反省しなければなりません。
唯一、出来ていること、それは自宅では暖房をほとんど使わないことくらいでしょうか。それでも冬の箱根では床暖房が不可欠です。昨日放映されたテレビ番組『55の挑戦スペシャル』。 “モノが故障したときは修理して長く使いましょう”。正論ですね。私自身、手間やコストをかけても地球環境保護のために貢献したいと思っていますが、先日こんなことがありました。
15万円で購入したパソコンが故障、修理を依頼したら8万数千円の見積もりが届きます。どうする? 今なら同種のパソコンが9万円で買うことができるのです。新品です。“壊れたら捨て新しいモノを買う”文化が日本の社会に浸透している現実も見逃せません。修理をしたくてもできないように仕向けられた日本の商業主義は大きなネックだと思います。
照明をこまめに消す。水道はまめに止める。リサイクルやゴミの分別。これらのことは我が家でも徹底的に実践しています。それ以外にもできることを家族で話し合っていこうと思います。
不幸な事件が起こるたびにメディアはその特殊性を強調します。ワイドショーでは加害者の生い立ちから友人関係、あるいはまた小学校時代の作文や卒業論文までをも引き合いに出しその人物像を分析します。そして結論を導き出すのです。“やっぱりアイツは異常なヤツだ”、と。
“異常なヤツ”は世間にたくさんいますが他人の命を無差別に奪う行為は“異常さ”だけでは片付けることはできません。“異常なヤツ”を犯罪に駆り立てる何らかの引き金が背景にあるのではないかと思うのです。“異常なヤツ”がリストラされる。グレル、キレル。ここまではよくある話。リストラされた鬱憤を自分で晴らすことのできる“異常なヤツ”。こういう人は最後の一線をハズスことはないでしょう。仲間や家族、もしかしたら異性の友人に守られ大きな事件にならずに済むこともあるかも知れません。
事件3日前の朝、勤務先の工場でのこと。作業着をめぐって容疑者が職場で激高するトラブルがあったといいます。“おれのつなぎがない”。
作業服はラックの中にあったと報道では伝えられていますが真実はどうだったのか、私には甚だ疑問です。
“異常なヤツ”の最後の砦である作業服、これを故意に隠す行為が背景にあったのだとすれば、それを先導した影の“犯人”の責任は重大です。
私のカバンに常時入っている3点セット。それは抗生剤、イソジン、頭痛薬。扁桃腺が腫れやすい私にとっては喉は命、万一に備えて抗生剤は必需品です。“危ない”と思ったら発熱する前に薬を飲んでしまいます。イソジンでのうがいは欠かせません。
風邪の前兆は頭痛です。家族全員、親戚までがみな頭痛持ち。おそらく遺伝なのでしょう、体調が悪くなる前には必ず頭が痛くなるのです。だから頭痛薬も持ち歩いています。
週末から体がだるく、微熱が続きます。先ずは頭痛薬。それでも体の節々の痛みが止まらないため、抗生剤を飲んでみます。普通ならこれでバッチリなのですが、今回チョット様子が違います。
子どもの頃から診ていただいている太郎先生に診察をお願いします。“喉は腫れていませんね。風邪ではないと思うけど、節々が痛いのはチョット気になるね。抗生剤が効かないのはウイルス性の病気かも知れませんよ。肝炎だとまずいので血液検査をしましょう。最近検査してないでしょう?”
私は採血が大の苦手で、体の中に針が入ることを想像しただけで気分が悪くなってしまいます。目を瞑ってガマン・ガマン。
さて・さて検査結果は如何に? ダイエットをしたとはいえ、慢性の睡眠不足と薬漬けの生活、年齢を考えると体の何処かに異常が見つかるはずです。
“福澤さん。結果が出ましたよ。どこも問題ありませんね。肝機能も腎機能も正常です。コレステロール値も理想の数字ですよ。少し心配していましたが医者の立場から指摘することはありません。”
健康であり続けられるのも生徒さんの応援があってのこと。これからも皆さんよろしくお願いします!
起源は2000年前のギリシャ、そして人種の坩堝アメリカで理論が体系づけられたスピーチ・コミュニケーションです。弁塾の塾長である私自身がレベルアップするには米国に赴き、最新の学問体系を学ぶ必要があります。このことが弁塾で学ぶ生徒さんにも還元されることになるのです。
先月から延び延びになってしまっていたニューヨーク訪問。今から成田を発ちミネアポリス経由でニューヨークに向います。
今回は1ヶ月以上の滞在になるためマンハッタンのホテルはパス、ニュージャージーに古い一軒家を借り、明日からはここでの自炊生活が始まります。マンハッタンから地下鉄に乗り、ジョージワシントン橋を渡るとそこがもうニュージャージー、フォートリー(FortLee)の町です。森と水に囲まれたというと少々、大袈裟ですが、ミッドタウンとは趣の異なる環境です。
今の私が裸一貫でニューヨークに放り出されたとしたら、いったいどんな仕事ができるか、どんな生活をおくることができるか、考えただけでもゾッとします。時給5ドルの仕事にさえつけない状況になるのではないか、人間として誰からも相手にされないのではないか。こんなことを考えながら悶々と生活をおくっていた最近の私です。今回の“留学”に人生を賭ける。25年前、初めて渡米したアノ頃の心境に近い自分がここにあります。
10時間3分のフライトを終え無事ミネアポリス (Minneapolis) に到着しました。機内では眠れない性分の私ですが、夕食を食べて即、就寝、7時間、ぐっすり眠ることができました。
ここで入国審査を行います。1万ドル以上の現金は所持していないか、現地滞在地はどこか、誰に面会するか等々、事細かに“尋問“されますが無事、審査完了です。
NW 558便の出発ゲート C までは空港内を走る電車を利用します。アメリカの空港はどこも巨大です。端から端まで荷物を担いで歩けば30分くらいはかかかりそう。
さて、掲示板を見るとラガーディア行558便に“ cancelled ” の文字が点滅しています。竜巻の影響でキャンセル、遅れが多発し、ニューヨーク便は大混乱しているそうです。
こんなときに限ってコーチクラスに押し込められることが多いのですが、毅然とした態度でカウンターに向います。無事明日の午後便で予約が完了、今晩の宿泊用のクーポンをもらいゲートを出ます。何? “ Hyatt ”? 航空会社が私のためにハイアットを用意してくれたの? ウキウキ気分で送迎のシャトルバスに乗り込みます。 走ること5分、ホテルに到着しました。アレ? ここがハイアット?
あっ! Hyatt Palace だって! 系列なのかな? 綺麗なプチホテルです。
ラガーディア (Laguardia) 行き NW 624便はビジネス客で満席、携帯電話で話す声が機内を飛び交います。彼らの声の大きさにはいつも驚かされます。離陸直前まで携帯が使用できるのは日本とは異なるところでしょうか、とにかく彼らの“真剣英語”に囲まれるだけで私には大きな刺激になるのです。
午後5時9分、定刻通りラガーディア空港に到着しました。“あっ・ニューヨークの匂いだ”。心の中で思わず叫んでしまいます。心地よい花の香りとは程遠いニューヨーク独特の匂い。これは私にワクワク感を与えてくれる魔法の匂いなのです。
ジョージ・ワシントン・ブリッジ (George Washington Bridge) が見えてきました。マンハッタンとニュージャージーを結ぶ上下8車線の橋は通勤渋滞の真っ只中、お陰でハドソン川から眺める両岸の絶景を堪能することができました。
橋を渡りきるとそこはフォートリー (Fort Lee) の街です。緑溢れる街並みに感動する間もなく新居に到着しました。軽井沢の別荘地のような個性溢れる住宅街、その一角にある我が家は築50年の古さです。これでも“ young ”だというから驚きです。この地区では築100年の家も珍しくありません。驚くほど小さな家だと聞いていましたがそれでも3ベッドルームにバスルーム2箇所、地下室に屋根裏部屋もある立派な住宅です。私が歩くと床がきしむのはご愛嬌? 無償同然で貸してくださった夫妻に感謝感激の福澤です。
車両代は日本の半額、保険料 (insurance) は2倍。無保険で走るのも自由、高額な保険に入るのも自由、これがアメリカのレンタカー事情です。
左ハンドルに右車線には慣れましたが突然目の前に現われる一方通行、これにはハラハラさせられます。マンハッタンに車を走らせようとワシントンブリッジに向うと前方から別の車が入ってきます。どうやら逆走してしまったようです。
さて、保険に大金を使った分、食費は削らなければなりません。ハドソン川沿いにあるヤオハンに行けば日本の食材は何でも手に入ります。でも高い。これが悩みの種。唯一お米だけは安い。コシヒカリやササニシキのブランド米がキロ20ドルで購入できるのです。しかも美味しい。ついつい食がすすみます。巨大なキュウリやナス(eggplant)、ガロンのケースに入った牛乳。私の体がスッポリ入りそうなカート。すべてが BIG です。
食生活が乏しい割には体重が増えた気がします。回りに太った人が多いとダイエットには無頓着になりがちです。今回はこれには騙されまいっ!
家の中も一通り片付き来週からは弁塾ニューヨーク校、マンハッタンエンターテインメント社・メディア・トレーニング・ワールドワイド社までの出勤生活が始まります。自宅近くの森でリス ( squirrels) と戯れ英気を養いたいと思います。
自宅があるフォートリーの町からハドソン川沿いに南下、リンカーントンネルからマンハッタンに入ります。運転の荒いことで有名なニューヨーカー、彼らと”勝負だ”。私もクラクションを鳴らしながら劇場街を駆け抜けます。
信号はまったく頼りになりません。赤であろうと黄色であろうと少しの隙さえあればドンドン入ってくるのです。事故にならないのかな?
治安がよいニューヨーク、それでも深夜の一人歩きは危険です。先日、レキシントン (Lexinton) 街86丁目でイタリア人女性観光客がナイフを持った男に襲われる事件が起きました。女性は羽交絞めにされましたが男の所持していたナイフを素手で握り奪い取ったというから驚きです。
“まだ19歳なのに死にたくなかった。死ぬよりも指がなくなる方がましだと思って必死だった”。事件が起きたのは深夜11時半、幸い大事には至らなかったそうです。
さて・さて明るい話題をひとつ。最近流行なのが足裏マッサージ。靴を履いた時間が長い彼らにとって足のマッサージは大人気なのです。新聞広告蘭を見ると大小様々なお店が紹介されています。1時間30ドル~40ドルが相場のようで日本と比べると格安です。
エステや美容の広告も目立ちます。毎週フェイシャルが受けられるデイリースパが年間パスポートで688ドル、まつ毛パーマが40ドル、ボディースリム・トリートメントは89ドル。私も行ってみようかしら! (参考/Daily Sun)
黒人初の米大統領を目指すオバマ上院議員が今月の3日ミネソタ州セントポールで勝利宣言演説 (address) を行いました。
“ The journey will be difficult. The road will be long. I face this challenge-I face this challenge with profound humility and knowledge of my own limitations, but I also face it with limitless faith in the capacity of the American people. ”
演説のクライマックス部分です。とにかく読みやすい、分かりやすい。そしてリズム感に溢れている。こんなシンプルな言葉で世界を動かせるのです。リンカーンは凄かった。ケネディーも凄い、そしてもちろんキング牧師も凄い。でもオバマはもっと凄い。これが私の印象です。
profound humility (深遠な謙虚さ)とはつまり“驕り高ぶることない政治姿勢”を意味し、 knowledge of my own limitation で添加します。自分ひとりの限界を認めつつも capacity of the American people (アメリカ人には能力があるということ)には limitless faith (無限の可能性があると信じている)いうレトリックで演説を締めくくります。あえて言葉を補って少々勝手な解釈をしてしまいました。 “私はアメリカの夢を実現する案内人に過ぎない。主役は国民だ”。これがオバマ氏の言いたいことだと理解している福澤です。
もうひとつ注目すべきこと。それは彼の声の良さです。美声云々ではなく長時間聞いていてストレスを感じない声。これもオバマ氏の魅力なのです。ヒラリー氏の声はオバマ氏よりも鋭く歯切れ(sounds logical)がある。個人的には彼女の英語のほうが好きですが、選挙は長期戦。飽きさせない声が大切だということを認識させられました。
今年の8月28日。キング牧師が I have a Dream の演説を行った1963年8月28日。あれから45年後のちょうど同じ日にオバマ氏は党大会で指名受諾演説をするのでしょうか。
仕事はあくまで経済的基盤を得る手段。よい条件が見つかれば迷わず職場を変える。残業はせず、週末は家族、友人と自由に過ごす。こんな風に割り切れるニューヨーカーがチョッピリ羨ましい福澤です。
あくまで習慣の違いです。日本の良さもたくさんあるとは思いますが、会社のために命を捧げることが優れた“文化”なのか、仕事のために家族を犠牲にする生き方が誇れる " 習慣“なのか。大いに考え直す必要がありそうです。
“過労死”は“ karoshi ”でそのまま通じます。 " 過労死“の感覚がこの国には存在しない、だからこの言葉が外来語(loan word)として定着したのです。
我慢の先には明るい未来が待っている。こう信じてきた結果が今の日本だとすれば最近の若者が貯蓄に走り、海外に足を運ぼうとしない理由も分かる気がします。
この時期のニューヨークは朝の7時前から明るくなり日が沈むのは9時過ぎ。仕事が終わってから日没までたっぷり遊べます。ミュージカルが始まるのは午後8時、ディナーを楽しんでから劇場に向う余裕、このアドバンテージは大きい。地下鉄は24時間走っています。タクシーの初乗り(initial charge)は2ドル50セント。 ポケットの中の小銭で買えるピザや缶ビール。
眉間にシワを寄せて辛抱している日本人に“ Take it easy! ”なんて言ったら叱られるかな?
朝7時、我が家の目の前で既に渋滞が始まっています。数万台の車がG・Wブリッジを抜けてマンハッタンに入る時間帯です。ガソリン価格は1ガロン4ドル38セント(1リットル:約124円)まで高騰、それでも車での通勤を止める気配はありません。車社会に慣れきってしまった彼らにとって徒歩、バス、地下鉄での通勤は無理なのかも知れませんね。日本人は偉いっ!
徒歩でME社に向います。名犬ラッキーとは久々の対面です。私が日本語で話しかけると逃げてしまいます。お土産は日本のカステラですよ。“お手”は“ shake ”、“お座り”は“ sit ”。発音が悪いと無視されてしまいます。ラッキーに話かけるときがいちばん緊張する?
来年オープンの新ヤンキースタジアムではVIP席の定価が700ドル。元々が格差社会のアメリカでもこの価格には反対意見が出始めているようです。ブロードウェイは昨年始まったウィキッド (Wicked) が人気です。“こんな面白くないミュージカルはヒットしない”、と思っていた私の予想は大ハズレ、劇団四季の『ウィキッド』も好評のようです。
私はオペラ座の怪人 (Fhantom) 一辺倒、これを越えるミュージカルは存在しないと思っています。歴代のファントム役の中でも私の心を最も揺さぶったのがハワード・マクギリン (Howard McGillin) 。えっ。彼の名前がリストにありません。
10月の3日に復帰すると聞きショックを隠せない福澤です。
種の坩堝 (melting pot) 、ニューヨーク。人口の4割がアメリカ以外の出身で出身国はなんと170カ国を越えます。使用される言語の数は120。これら多様な人種・民族・文化が織りなすパワーがニューヨークの放つオーラです。
彼らの英語は上手ではありません。それどころか中には英語がまったく話せない人もいる“国“、それがニューヨークなのです。まともに会話が成立することは稀。聞き返し、言い返し、そしてまた聞き返す。どうにか意志の疎通を図ることができればそれでOK。これが日常なのです。
日本人との違い其の一。それは彼らの声が異様に大きいこと。日本では私の声は大きいといわれます。ニューヨークではごく普通です。気合を入れて話さないと“ Eh ?”と聞き返されることすらあります。声が小さい人は自分に自信がない人。自信がない人は信用できない人。そんな公式すら成立してしまう。大袈裟ではありません。
違い其の二。それは話すスピードです。とにかく猛スピードでガンガン攻めてくる。ウンウンうなずいている間に“ OK? ”。それですべてが終わり。主張した人の勝ち。黙れば負け。口を挟まないことは同意 (consent) したも同然なのです。
日本で真面目に英語を勉強した人ほどショックは大きいと思います。下手でもいいからガンガン喋る。間を開けない。相手の目を凝視する。容易に同意しない。確認を怠らない。声で負けない。これだけ出来ればもうアナタはニューヨーカーの仲間入りです。
Yahoo Japan の記事を検索すると北朝鮮の拉致 (abduction) 問題に関する興味深い記事が目に入ります。
“福田首相は25日夜、ブッシュ米大統領と北朝鮮の核問題などについて電話で約20分間会談。電話は大統領がかけてきたもので「自分は拉致問題を決して忘れない。日本の懸念は十分理解している。日本と引き続き緊密に協力していきたい」と述べ、拉致問題に配慮する考えを強調した。”
どこかで聞いたようなブッシュの発言です。
“ I understand, Mr. Prime Minister, how important the issue is to the Japanese people, and we will not forget the Japanese abductees, nor their families. ”
こ れが昨年の11月に行われた会談でブッシュ大統領が福田首相に発言した原文です。半年以上経過しても同じことを繰り返すブッシュも情けない。疑問を持たずにウンウンうなずく福田首相はもっと情けない。
understand ” は“理解はするけど僕は何もしないよ”。“ will never forget ”は“忘れないけど俺には何もできないよ”。少々、乱暴な解釈ですがブッシュの発言はあくまで社交辞令。こんな気の抜けた発言に待ったをかけ、具体的な解決方法を引き出すこと。これが日本の首相に求められるリーダーシップです。
通訳を介して目の前にいる女性にプロポーズをする。こんな愚を冒す人はいないと思いますが、福田氏の対応はそれと同じくらい気の抜けたレベルなのです。
ニッポン沈没のカウントダウンは既に始まっています。
鳥の声で目を覚ます。あちらこちらで見かけるリス。夕方には蛍 (firefly) の姿。森に暮らす素晴らしさを体感する毎日です。
自宅からジョージ・ワシントン・ブリッジまでは徒歩で12分、料金1ドルのシャトルバスに乗り地下鉄の175丁目へ、そこからAラインの急行で42丁目のMTW社まで移動します。計40分の通勤時間は慣れれば非常に快適です。
日本との違い。それはどこまで行っても料金が一律の2ドルだということです。
どこに住んでいようとも、どこへ行こうとも目的地までかかる費用は一律。これがこの国のイークワリティー (equality) に対する考えなのでしょう。“平等”という日本語と equality にはかなりのギャップがあるのではないか、そんな気がしてたまりません。まあ、日本のように距離別の料金体系であれば計算に弱いニューヨーカーは混乱してしまうかも知れませんね。
日本との違いもうひとつ。それは24時間運行していることです。2ドルさえあればいつでも移動できる。MLBの試合には引き分けがありませんが、試合が朝まで続いてもとりあえず帰る足はある。これは魅力です。東京の山手線くらいは24時間運行してもいいと思うのですが、タクシー会社と国土交通省との癒着があるのかも知れません。
路線が複雑なのは東京と同様ですが慣れればこれほど便利な移動手段はありません。自家用車での移動が困難なマンハッタンにおいては地下鉄を乗りこなせることでその行動範囲を格段に広げることを可能にしてくれるのです。
英語が少しできるようになると誰もが思う疑問、それがネーティブ・スピーカーの“ Why? ”。“面倒だな。言わなくてもわかるだろう。だからアメリカ人はイヤなんだよ。あ~あ、疲れた”。私にもこんな時期がありました。
日本語は人間関係、面子、儀礼を重んじる言語です。遠慮や控えめさを美徳とすることも特徴のひとつす。
日本語には言葉で相手をつぶそうとする発想自体が存在しません。ディベートを避けようとする風土がその証拠です。本音をチョットでも漏らせば“ハレンチ”、“不謹慎”と罵られる。だから皆口を閉ざそうとする。
ロジック (logic) 云々の難しい話はさて置き、とにかく英語は非常にシンプルな言語です。骨格は Why-Because 、直線的で分かりやすい。“ Why? ”と聞かれれば素直に“ Because ”で返す。それだけです。
日本人が“ Why? ”と聞かれてシンプルに返答をする障害となっている要因、それが人間関係であり、面子であり、儀礼なのです。
英語は論理的で日本語は非論理的だという発想には私は反対です。英語という言語の側面から見ると日本語が非論理的に“見える”、だだ、それだけのことです。
英会話の学習にディベート的な要素を少しだけでも組み込めば日本人全体の英語力は大きく伸びる、そんな気がする福澤です。
ニューヨーク市の上位層と下位層。その格差は40倍だといわれています。これほどの格差社会でありながら人々はどうにか自由に生きている。これは驚異的です。多くの社会問題や不安を抱えながらもこの巨大なコミュ二ティーが成立している、その背景はいったい何なのか。私には非常に興味があります。
明らかな貧富の差がありながらその体制に懐疑的 (dubious) にならないでいられる理由。それは“貧民層にもチャンスがある”という一般認識があるからだと思います。実際、貧民層から成り上がった人や一発大逆転で巨万の富を築いた例もあるのです。
実際に平等なチャンスが万人に与えられているかといえば現実はそうでもありません。それでも“自分にもチャンスがあるかも知れない”、“どうにかなるかも知れない”、と万人が思える環境、風潮がニューヨークにはある。そんな雰囲気が社会のムードを盛り上げてくれるのです。
最も大切なこと、それは実際に成功した人、成り上がった人を叩くのではなく、称え賞賛する社会を築くことです。
“格差は悪だ”。これが日本の共通認識です。日本には格差悪論が深く浸透しています。格差を悪者に仕立て上げるのは容易です。しかし、そんな発想から生み出されるは不安、嫉み、恨みといった破壊的な感情なのです。
東京ではなくニューヨークに世界の人が集まってくる。このことに日本再生のヒントが隠されている、そんな気がします。
お客はほとんどが白人。そんな散髪屋にはいったら最後、取り返しのつかないヘアースタイルにされてしまいます。“ファッションの街ニューヨークなら大丈夫だろう”。こんな認識が私の髪形をメチャクチャにしてくれました。初めてこの地を訪れたときのことです。“短くするな”と言っても無駄です。とにかく切って切って切りまくる。何たって hair cut ですから!
日本では“お任せ”でお願いしてもどうにかなりますよね。ニューヨークでこの言葉は禁句です。“ will leave it to you. ”。この一言でアナタの髪は香港映画のコメディアンに早変わりしてしまうのです。
どのように? どの部分を? 何ミリ? 明瞭に説明をするのはアタリマエ。切っている途中でも不安があればどんどん指示を出す。コマめに手鏡をあててもらい確認する。遠慮は無用、ウトウトしながら目を瞑った瞬間にバッサリなんていう可能性もあるのです。ご用心! 彼らの仕事は hair cut 。切って短くするのが“使命”なのです。
“面倒くさ~い”と叫びたく気持を抑えてとにかく、希望を的確に伝えること。散髪にも弁力が求められる国、それがアメリカでなのです。
アパー・ウェスト (Upper West) 、此処は高級住宅街が立ち並ぶオシャレなスポットです。“ここで切ろう。”腹を決めます。さてさて、どんな髪型になるでしょう。
アレっ?
日本人は真面目で分析が大好きです。“どうして日本人は英語が話せないのか?”リスニングの大切さを説く人もいれば慣れが重要だと言う人もいます。脳の研究が進んできた最近では英語脳をつくるトレーニングを支持する学者もいます。
“必要に迫られる場面に身を置くこと”。これが私の体験値から言える解答です。かなりの確率で的を得ていると思っています。
英語をまったく身に付けないままに帰国する駐在員の奥様方。ニューヨークに5年いようが10年いようが英語はまったくダメ。逆に子どもたちは皆堪能になって帰国すると聞きます。違いは何? 大人と子どもの差?
移動は車、買い物はヤオハン、日中は日本人のお友達と日本語で井戸端会議、夜はフジテレビの日本語放送を見ながら一家団欒。これでは英語ができるようになるはずがありません。
留学生も同様です。せっかくニューヨークに来ても日本人の学生と集団で行動している。大学付属の英会話学校に送り込まれ英会話の特訓。日本人を見つけてはメル友になり日本語でチャット。
私がこれまでに英語圏に滞在した日数は1年未満です。それでもバリバリのニューヨーカーと喧嘩 (Verbal fight) を繰り返しながら仕事をしています。これは私の生まれ持った能力ではなく、 ” 必要に迫られる場面に身を置くこと“を淡々と実践しているだけ、ただそれだけのことなのです。